この日も一日中快晴が続いた。昨日の続きを釣るべく9時過ぎに川へ立った。
本流はJさんとNさんが、自分は昨日Jさんが入った支流で釣ることにした。
昨夜、Jさんからある程度その支流の様子は聞いていたが、なるほど魚影はかなり濃い。ポイントというポイントには必ず岩魚はいた。
すぐに7寸ほどの岩魚がかかる。続いて8寸。沢の幅が狭く枝が張り出している。ラインを伸ばして釣る、というよりもなるべく静かにポイントへ近づいてリーダーキャストで「フライを置く」イメージで釣りあがった。
大きめのプールでは2匹かかることもあった。
だいたい1時間半ほど経ったところで10メートルほどの滝が現れた。
ロープは他の荷物と一緒にデポした為、持ち合わせていない。
それまでの釣りで十分すぎるほど釣り欲は満たされていたのでひとまず竿を納め、
荷物一式のデポ地点まで戻ることにした。
荷物一式のデポ地点まで戻ることにした。
2人が戻る時間まであと40分ほどある。
沢の流れる音を聞きながらボーっとしたり、ウイスキーを飲んだり、ティペットを結びなおしたりして過ごした。
ほどなく2人と合流する。本流を行った2人に様子を聞くと、なんと上流で沢登りの二人組に会ったとのこと。しかも俄かには信じられないようなルートでこの沢に降りてきたようだ。
さすがシルバーウィークというべきか…?
そして、今晩の幕営地を見つけるため支流を遡行する。
途中、良さそうなポイントで竿を振った。
そして、尺岩魚が釣れた。
途中、良さそうなポイントで竿を振った。
そして、尺岩魚が釣れた。
水深70センチくらいのプール手前、#12のアントを流れがゆるくなりかけたポイントにそっと流した。すると、すぐに岩魚が出る。遅合わせ気味に、クッと手首をあげると鉤がかかった手ごたえ。
最初それほど大きくはないと思ったが、竿のしなり具合で意外と大きいことを知る。
そんな大事なときに限ってランディングネットはザックに引っかかり、なかなか外れない。慎重に手元に引きながら、ネットを外してなんとかキャッチ。ロッドに巻いた印で測るとちょうど尺だった。
3人が横になれて、かつ焚き火もできる広さの空き地。いざ探すとなかなかない。
ひとつふたつ候補となりそうな場所に目星を付けておいたところで、時間切れとなった。
100メートルほど戻った河原で草を倒したり石をどかし、流木をまとめるなど整地してなんとか今晩の幕営地を作る。
これまでの二晩の経験から今夜はタープを張ることにした。このタープのおかげで、夜露をしのぐことができ、寒さもやわらいだため安眠できた。
夕飯のメニューは前々から「洋食ナイト」と決めていた。
岩魚のカルパッチョ、岩魚のモツと皮とニンニクのアヒージョと、岩魚入りのペペロンチーノを作る。
それに味噌仕立ての岩魚汁となめろうも加える。もちろん、どの料理も最高。
それに味噌仕立ての岩魚汁となめろうも加える。もちろん、どの料理も最高。
いよいよ、酒がなくなりかけていた。明日の朝のコーヒーに垂らすウイスキーを少し残して、あとは飲んでしまうことにする。
名残惜しいが、どうせ明日は朝早くから脱渓のために動かなくてはいけない。
名残惜しいが、どうせ明日は朝早くから脱渓のために動かなくてはいけない。
この晩は明日の脱渓ルートを再確認し、コースタイムを予測するなどした。だいたい6時に起きて8時には行動を開始しなければならない。
4日目
最終日となるこの日が一番気温が高かったような気がする。
Nさんが朝ごはんに昨晩のアヒージョのオイルを使って焼き飯を作った。これがうまかった。コーヒーも焚き火で煮出して作り、ウイスキーを垂らす。一気に目が覚めた。
体はどこも痛くない。今日の行程は、初日のアプローチに匹敵するほどの難コースが予想される。
脱渓のコースは幕営した沢を源頭までつめてそのまま尾根まで登り切り、尾根筋をたどる。
そして、初日に休憩をしたピーク、尾根とたどり、車止め地点まで戻る。
もちろん、途中に登山道はどこにもない。
しばらく沢通しで順調に遡行していたところで5メートルほどの滝があらわれた。
Jさん、Nさんはなんなく越えたが、自分は足がかりの箇所で滑って、ドボン。
胸までつかった。まさか滑るとは思わなかったので動揺した。
その後2回ほど同じ箇所に足を掛けて試すが、滑ってしまいどうもうまくいかない。
そこでJさんがロープを出して、まずザックを引きあげてくれた。
続いて僕も。今まで足がかりを見つけていた側ではなく反対方向からロープを垂らしてもらい、
なんとか登った。 一安心した。
なんとか登った。 一安心した。
その後、高巻き、シャリバテ、指を切る、などいろいろあったが、何とか源頭まで詰められた。
そして、待っていたのはまたしても強烈な藪だった。
思考停止の状態でなんとか藪をかき分け尾根まで登り切った。
気づくと、休憩ポイントとした尾根ですでに13時を回っている。
なんとか日没までには車止めに着きたい。
そしてコーラ、風呂、ラーメン。。。
行きと同様、複雑に枝分かれした痩せ尾根を、何度もコースを修正しながら降りていく。
今回下ろしたばかりのチェーンスパイクはゴム部分が数か所千切れ、すぐ抜けてしまう状態で履き続けた。それでも、ないよりはましだった。
周りが薄暮の状態になりかけた18時すぎ、ようやく尾根を降りきった。
そこから30分、クサリ場などを抜けて、ようやく車止めに着いた。
へろへろだったが、ものすごい高揚感と達成感。
なんとか大きな怪我もせず、無事に帰ってくることができた。
それもこれも終始引っ張ってもらった、JさんとNさんのおかげである。
それもこれも終始引っ張ってもらった、JさんとNさんのおかげである。
将来、もう一度来ることがあるだろうか?
あの強烈な藪漕ぎも今となっては良い経験だったと思い返すことができる。
あの強烈な藪漕ぎも今となっては良い経験だったと思い返すことができる。
了
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